<長編>「口腔内の問題が全身と関わっているのでは?」その直感が対処法にどう影響するか・・

2010年9月 ネット広告を頼りに来院された患者さんで
友達の衛生士さんが働いていた歯科医院で処置を受け
治療終了後2年ほど経ったあたりから痛みが出始めた
という訴えで来院、まずはレントゲンを撮影し手作業で
現像して像を見るなり問題の複雑さに圧倒されながら
一般的な痛みの状態を聞き出すことから話をはじめて

症状は左上第二大臼歯の自発痛と打診痛があり
多数歯にわたる処置の痕跡とご本人の口から
前向きな処置に対する期待が伺えました。

そこからご本人の話をたよりにしながら処置内容
の大筋を聞き取っていき、繰り返されてきたであろう
痛みの問題と今回の痛みの関係性を推測しながら
口腔内の状態をその推測と照らし合わせていき
左臼歯部の交差咬合と下顎前歯の左側への変位に
上顎前歯の歯数が下顎と対応が出来ていない事で
歯科医による咬合構築が不安定な状態になり易く
旦那様の仕事の関係で海外での生活が有った事で
一貫した歯科処置による症状再発を阻止する試みが
補綴物や根の処置の状態からの予想になりますが
難しかったか後まわしになったのではないかと感じ
まずは根の処置や被せ物のやり直しを考えるより
出来るだけ補綴物に手を加えずに咬合調整で済ませ
衛生状態の問題に対しては衛生士さんにお願いして
帰り際に筋肉と骨格の話をしたような気がします。
同年の10月に衛生指導で来院時、ご本人からの報告で
「整体へ行ったら痛みが楽になったの!」
から、咬合と全身の関りからの症状を確信し
レントゲンの顎関節形状や顎角・骨形態も参考に
しながら今後の治療計画を考えようとしたところ
患者さんの一身上の都合により一時診療を見送る
理由となる入院と加療計画についてご報告を受け
安易な口腔内の処置は絶対避けるべき時期だと
再認識し、再会できるのを祈る思いでした。
2011年12月 病院での処置が一段落したと来院され
思わず胸を撫で下し、投薬状況を確認してから私の
お勧めのMDフラクションとSOD商品の説明をするも
ご本人の訴えは、右上親知らずの詰め物が外れた
歯の抜歯?! 時期的にどうかとは思いましたが
再補綴とかそのままよりは良い選択とも考え

上顎の親知らずであれば軽度の損傷で済むだろうと
あまり問題を感じずに局麻下にてヘーベルを挿入し
押し当てた時の多少の抵抗感と頬部痛を訴えたので
麻酔を足して普通より回転の力を掛けて脱臼させてから

取り出すとき、普段の摘出状況とは異なる抵抗感とその
手触りが気になり歯を確認すると骨と粘膜が歯根に付着し

抜歯した傷口の粘膜面の損傷が大きく、圧迫止血だけでは
治癒過程に問題をきたしそうだと考え損傷部の縫合処置と
単純抜歯ではまずしない感染予防のための抗生剤を投与しました。

翌日の消毒の時は開口障害などの問題が認められなかった
ので通常の消毒をして、1週間後の糸抜きで予約をし
何かあったら連絡をしてもらうように伝えたのですが

1週間後の抜糸での来院で、抜歯後治癒不全を確認し
ご本人の痛みに対しての我慢強さに驚かされ、訴えが
そんなに強くは無かったですが痛み止めと含嗽薬を処方し

2012年1月に入って症状の安定を確認できました。
その後は小さい虫歯の処置と衛生業務を行いながら
今までの治療の経緯を詳しく聞き出し、改めて補綴処置と
全身とのかかわり(交感神経系の乱れ)に注視すべき
という結論に至りました。


同年の2月に入って脱落してきた左上第二大臼歯の
土台ごと外れてきた金属冠を持参されときも
その考えのもとレントゲンを撮ってからの説明で

根の処置や残存歯質量の状態から推測にはなりますが
過大な咬合力による歯根の破折の危険性や再修復物の
早期脱落をおこす可能性を強調し、出来れば
入れ歯で修復するのが良いのではないかという
ご本人の希望とは違う処置内容を受け入れて頂く
ための説明に時間をかけ、ありがちな方法として
抜歯してブリッジにするという処置の抱える問題
を既往歴の体験を参考にしてもらいました。そうは言っても
ご本人の入れ歯に対する違和感を拭うことは簡単ではなく
治療方針についての患者さんとの押し問答をしている最中
ぎっくり腰になって整体の受診を経たこともあり、なんとか

同年の9月に入って、ブリッジは諦めて入れ歯で
凌いでいただくという意向が確認できたので
3種類の入れ歯を作成し、舌の感触を優先に
装着感の確認をしてもう工程を組んで慎重を期し



一番噛む力に対応可能な真中の鋳造鈎入れ歯を
使っていただくことになりました。
これは、交感神経優位な過剰筋運動に対応した
不都合な時は外せるという安全対策という考えで
咬合と全身の関係を強調する方々がたまに抄録で
全額全歯の補綴処置で理想咬合の再構築を施術
する報告を見ますが、私としては人間に自然界と
同レベルの人体臓器作成はかなり難しいと考え
今ある問題を増幅させない節度ある補綴処置をと
新たな固定式の補綴処置は避けたかったからです。

2015年11月の衛生指導にて、左下のブリッジの支台歯に
虫歯進行の可能性を指摘をしても患者さんの反応が薄く

2017年までの間に、本人主導の口腔衛生指導と
左下親知らずのアマルガム充填 右上の犬歯と
右下の第一大臼歯クラウン辺縁部のレジン充填
等の希望された処置を優先しました。
その後左下に冷水痛を訴えだした時も
左下ブリッジ支台歯の虫歯の関与と共に
その奥の親知らずの問題が再燃し始めている
可能性を考えに入れながら対応して

同年の7月に左下の親知らず虫歯に詰めたアマルガムが脱落し
虫歯の再発が痛みの主な原因と判断できる痛みの局在性に
ご本人の希望を確認して再修復処置による痛みの対処よりは

単純抜歯を行い、咬合緊張による問題頻発回避を優先しました。
当然、ブリッジのやり直しについてはなるべく控える考えも説明し
この辺りから、ご本人の意識が変わってきたか担当衛生士さんの
指導目線が変わったのか、よくわかりませんがカルテに患者さんと
衛生士さんとの間で顎関節症状についてのやり取りの記載が増え
左下のブリッジ近辺の汚れをコントロールする動きが強まり
徐々に当医院のペースに患者さんが乗ってきたように感じました。
同年の7月ころから、当医院で衛生士のプラークコントロールに
エアーフローが取り入れられ、あわせてバイオガイアのロイテリ菌
タブレットも導入され定期健診に熱心さが出てきた、そんな中
2019年4月 右上第二大臼歯の歯肉の腫れと根尖部痛を訴えがあり

確かに口腔内で同歯肉部の腫れを認めはしたのですが
レントゲン確認で通常処置による症状の改善は難しい
と感じ生活指導や咬合調整で症状消退させる方法を
考えてはみたのですが、患者さんの要望に耳を傾けて

冠を外して根の処置の確認も一つの方法と考えなおしました。
冠を除去するのは通常の手法で問題なかったものの、土台の状態から
多少の違和感を感じながら根の処置の状態を慎重に確認し、未処置
部分が確認出来たのでその処置の続きを行うことにしたのですが



前任の方の苦労がよくわかる根の処置の困難性に手惑い
通常の保険診療内の機材と私の指ではどうにもならない
ということで可能な限りの処置で終了しビタペックス封入

一週間後の確認で症状の消退とレントゲンの不変を確認
前回の親知らずの詰め物が外れた経緯を合わせて考え
おそらく咬合の問題が症状に関与していた可能性から
その後の被せる処置は控えさせていただきました。

2019年4月の口腔衛生指導で術者側が気になる左下の
ブリッジの支台歯にある虫歯のチェックのあと、少し
来院される間隔が開いているのが気になったのですが

2020年11月に、ひょっこり現れその時の希望が
「銀歯をセラミックに出来ないの?」で (-_-;)
口腔内はちょっと炎症状態が気になりましたが
昔の手作業現像と違うRFデジタルレントゲンで

線量気にせず再撮影し、前回の根の処置の状態と
入れ歯修復部はさほど変化はないことを確認でき
「朝起きると、顎が開きずらく痛いの!」の報告の
理由の説明に上下の模型を採り直しさせていただき
歯科領域での問題と全身(自律神経と整体観)の
関りについて考えられることを長々と説明すると
「そんな専門的なことは私には分からないし、やって
欲しいことをやらない歯医者って駄目なんじゃない?」
という言葉に透かさず私の「責任が取れません!」に
「誰も御金返せなんて言わないわよ!それ失礼よ。」
そこまで言ってくれる患者さんとの信頼関係を構築した
衛生士さんも交えてどうするのがいいか話し合い

同時に、採取した模型で初診の時に近い状態の噛み合わせと比べ


咬合が不安定になっていることは否めず

咬合面形態の問題もあり、根の処置は無理だとしても
右下の第二小臼歯と第一大臼歯の修復を行うことにし
ご本人に睡眠やリラックス法と姿勢の改善を条件に
オペ後の述部の疼きが有るのを知りながらセラミック
修復処置を根の処置が不完全なままで行ったのを機に、
ならば他の未処置の歯もやってほしい!あれよあれよで

2024年までに5本のセミック冠を装着することに((+_+))
ただ,2023年に外れた右下第二大臼歯の冠は根の状態
のこともありセラミックは遠慮していただきました。

顎関節症の症状はクリック音が残るも厳しい開口障害は
起こっておらず、自律神経の興奮状態は続いていました。
当医院では、入院加療した病態の安定のためのサプリを
歯周病(歯槽骨吸収の炎症コントロール)安定を兼ねて
患者さんに説明してきましたが、どうやらそちらの問題は
落ち着いてきたようで、これからは交感神経系とホルモン系
を考慮していくことが必要だと考え始めました。
しかし、その領域の話は処置より自らの養生法がカギとなり
患者さんが理解して行動に移すまでにはかなりハードルが高く
無理に押し付けてもかえって医療不信につながりやすいのは
この動画でもお分かりになるのではないでしょうか?
その後の顎関節症状は進退を繰り返し、入院手術した
箇所への不安もあってか歯肉の腫れや前歯の破折を
繰り返していき、皮膚症状や更年期症状も併せて
育児と介護疲れを訴えていたので、衛生士さんにより
心のケア(会話)を受付と連動しながらお願いしていました。
私が一番気になっていた左下のブリッジのやり直し
が入れ歯人生への避けられない入り口になるという
危惧のもと、衛生士さんになんとか症状を治めるように

経過を追ってもらった最大の難所が現実問題になったのが
2026年3月に入って 左下第二小臼歯(ブリッジの支台)の
痛みが本格的に出てきたという訴えがあり、レントゲンでは
思ったほど虫歯が進んでいるようには見えなかったのですが

ご本人の訴えが体の状態と連動していて我慢も限界?
歯周組織もそろそろ処置を始めなければいけない時期に
入ったようだと覚悟を決め、患者さんにブリッジの除去と
入れ歯の話をさせていただきました。
しかし、以前上顎の一本義歯を使い勝手の問題と紛失という
経緯から入れ歯処置に対する拒否権を持たれている様に推測され
簡単に説明を聞き入れてもらえるとは思えませんでした。
そこで左下第二小臼歯の神経の処置の為にブリッジを外し
仮歯を作るという一般的なやり方は避けて、なんとか既存の
咬合高径を変化させず交感神経を刺激しない方法を考え

左下第二大臼歯の被せ物は保存できるように処置しました。
で、第二小臼歯の神経を保存して入れ歯にすれば費用が
10万円で済むけどブリッジにすると30万円ほどかかると
いうある意味脅しともとれる説明をして保存処置に・・

淡い期待にはなりますが、なんとか痛みをとめる努力をし

祈る思いでプラスティックで蓋をしたのですが
入れ歯の説明が仇となったか,二日後に痛みを訴え
神経を取る処置を希望され、神経保存は断念することに


局所麻酔下で神経を取る処置を行い、単根で楽な処置だと
痛み止めを兼ねてビタペックス貼薬で様子見と考えましたが
電気的根の長さが上手く測れなかったこともあり、念のため
レントゲンで確認し歯の根が普通より長いのが気になりました。


一週間後に根のパッキングをするときに前回根の長さが
測定できなかったこともあり、リーマで造影撮影をし
そこで根尖が吸収崩壊が始まっていることを理解しました。
後は、通常の根の処置をすればと考えていたのですが
念のため症状確認を兼ねて数か月経過を観察することを伝え

同年の5月にレントゲンで症状の問題を確認した後
土台の型取りをするとともに仮歯の設計で最後臼歯の
メタルクラウンに引っ掛かり部分を削ってから念のため
無意味な質問だとは思いましたが入れ歯とブリッジの
選択をしていただきました。当医院の固定式の補綴は
避けて入れ歯の選択を!という願いは届くはずもなく
では、ブリッジの設計をどうしていくか?という課題に
最後臼歯の冠を除去して3本のブリッジを作るか、冠を
残して仮歯のように沈下防止の引っ掛かりをブリッジに
与えるように作るかという話題に移っていきました。
ご本人は、出来れば安く でも壊れるのは困るという
ジレンマから悩まれていましたが、私はなるべく咬合維持
の観点から冠は外さない方がよいと考えて技工所に設計を
考えてもらうように依頼をしました。

技工が出来てきてそれなりに出来たファイバーコアが
見る角度で問題が有るように見えたのも気になりましたが

私が考えたジルコニア単体でブリッジにする設計は
今までの処置の経過からして多少の不安があると
技工が手元に届いたその日に技工士さんから☎があり

確かに今まで作成してきたセラミックの模型を見て
今回 考えている場所のブリッジの設計はメタル
を応用したコンビネイションブリッジが良いのでは
という技工士さんの提案は凄く納得できたのですが
「問題は、メタル代金の高騰で素直に3本ブリッジに
した方が技工料金はかえって安上りになりますが・・」
左下第二大臼歯ゴールド系冠の除去が患者さんの
経済的負担と補綴物の予後からしてベストの選択
ではないかと考えているようでした。
確かに経済面や補綴物作成工程では思い切って
スクラップ&ビルド的な手法の方が効率的のように
感じますが、今まで体が許容していた咬合高径とか
咬合時の噛み応え(圧縮・へこみ)感覚の変化が身体
に及ぼす悪影響の可能性に対する過剰予測は的外れ?
こうなると、患者さんと技工士さんの意見が一致し
顎関節症状の問題を優先的に考える私の独断は問題
をややこしくするとは思いましたが、ここまで来たら
ジルコニアコンビネーション延長ブリッジを選択した場合
メタルは私が保持している身内の金属を無償で使用する
見積書を提示させていただき、その配慮の代償として
ブリッジの脱落しやすさは受け入れていただくことを提案
技工士さんには技術的な負担をお願いし、受付である妻には
医院経営上のいつも言われる「家計を考えて!」に蓋を強いる
ことになるのは心苦しかったですが、ここは患者さんの為?!

「じゃぁ、2本は白くなるんでしょ?」の返し言葉が
少し私としては引っ掛かりはしましたが、もういいか
で、技工士さんと電話とネットでの写真共有で形成の
最終チェックをして型取り後に仮歯の修正をして仮着を
しっかり行いset日までもってくれることを祈ったのですが
やはりset日の4日前に仮歯が脱落してきました。
このことから延長ブリッジの構造的弱点が、今回の患者さんの
過緊張という自律神経の乱れを伴う場合は顕著に表れる可能性
があり、技工士さんのアドバイスを押し切った事への心配が・・

ただ最終技工物が手元に来た時、分割可撤式模型でなく
シリコン印象で二度流し込みで作った副模型にピッタリ
補綴物が治まることを確認でき、技工士さんの腕に感謝と
補綴物の脱落回避の期待が持てsetに挑むことが出来ました。
同年の6月に、軽いストリップスによる咬合チェックと装着感

の確認後、無調整でsetまで短時間で終わったのは良いのですが

この全体像を見る限り、自律神経の過緊張による
咬合力のコントロールが上手くいかない兆候か
歯周病の衛生管理による病態維持が難しいという
現状に「やはり入れ歯を・・」と口にしてしまう
その理由は、師匠の講義で「20年経っても治せない。」
という切り抜きイメージがどうしても頭からはなれない。
EBMに反した?考えにはなりますが、患者さんの全身的な
課題に対して一つの補助的手法としてサプリメントを利用
することを提案させていただいたことも付け加えさせて頂きます。
私とご本人の間において決してそのサプリメントに対し
過剰なる期待と盲信をすることなく、検証していく姿勢を
忘れず医療人として謙虚に患者んに寄り添う一つの方法
としてここに記載しておこうと思います。

まずは、我が身で検証をすることも忘れずに!
あと、facebookで知り合った神戸で脳歯科を標榜する
新神戸歯科の藤井先生の神の手の施術も気になりますが
まずは自分ができる範囲内で(^_-)-☆
*冒頭の写真は、私の姿勢が噛み合わせとどう連動していて
矯正や調整を重ねても本人が無意識の時は問題が有った時の
体型に(膝が曲がり反り腰で首の前傾)になっていることと
生後二年ちょっとになる乳歯咬合での立位の比較もできて
顎関節症の見本になると思い、掲載させていただきました。
<手前の永久4足歩行なる自然に近い疾病無縁もの💛>
