なぜ、補綴を控えるのか?
「父さん 治療終わっても痛いって言うんだけど
診てあげてくれない?」
息子が職場の同僚のことで相談の電話
聞いただけで容易に推測出来る事象
「治したところでは駄目だったって事?」
やれることは決まってるだけに・・
「良い子で 診てやって欲しいんだよ!!」
遠くまで来るのはどうかと思いましたが
口腔内とレントゲンを診て即断できる
補綴物と生体の関係から来る難題ですが
痛みを発している歯の問題だけ説明
その症状の起点となっている
筋肉・神経・体幹と神経機構(求心性)は
さらっと分かりやすく?済ませ
とりあえず痛みを軽減されるため
一番の問題と思われる上の前歯の補綴は
触らず痛みの歯のみを調整し生活指導
お決まりの説明で終了するも
4ヶ月程経ってから また息子から
「今度は何処が痛いか分からないって言うんだけど!」
そうきたかぁ~ やっぱりなぁ~ で
来院したときに診療用チェアに座る前に
体幹と咬合のチェックを本人に体感してもらう為
立ったときと座ったときの違いを確認後、それが
周囲筋の可動域のバランスを崩していること
視覚的に確認してもらい
痛みに関連してそうな歯を調節していくのと
念のために打診痛がある歯について
レントゲンで確認した上で
本人に理解させるために上下の模型を作製
御本人は納得している前歯の被せ物の問題は
なるべく触れずに、今回の痛む歯の被せた
奥歯の形態を模型を見せてどう思うか聞き
「ホントですね、全く違う!!」
という事に気付いていただき
「だから、丁寧に使わないと痛みが出やすいのは
切れづらい鋏で硬いモノを切るときをイメージ
するとわかりやすいかな?」
で納得してもらい、本当の言いたい
○前歯の差し歯に合った下の歯並びを直し
○磨り減った部分の修復(ガイドセンサー修正)
○咬合変化に適応する生活様式の変更
という高額で時間が掛かり成功するか分からない
処置法の提案はサラッで終わりました。
なんでもっと踏み込んで処置しないのかは
予防に特化した理由が、このような医原性症状
「出た症状に対処出来ないなら、するな!」
という学びがあるからなんですよね(^_^;)
しかし、このあと数日後に息子から
「なんか また痛がってるみたいだけど・・」
に、急いで御本人に電話連絡すると
「不安になって近場の歯医者に相談したら
そこまで痛むなら神経取るしか無いって
でもそれは大石さんが駄目って・・」
なんか無理させてしまった様で申し訳なく思い
「それでしたらその歯医者さんで処置してもらって
全く問題ないです、やることは同じなので!」
って言ったあとで症状の詳細を聞いてなかった
事に気づいて少しずつ状態を聞き出すと
どうやら痛みが前回とは違う歯に移動していて
まだ痛み止め(薬)で治まる程度だという内容に
「神経取る処置はそちらでやるのはむりですか?」
の依頼もあったので、まずは神経を取る事より
生活指導とイメージ療法を併用してもらい
症状を自己採点してもらいながら、就寝時間確保
仕事の時間を減らし(避PC画面)湯船に浸かるなど
痛みを治めるやり方を指導することによって
数日間は症状が治まったようですが、その2週間後
「なんか我慢が出来ないくらい痛くなったみたいなんだ
お願いだから処置してあげてくれないかな?」
息子からの連絡でやっと私の腹が決まり
2023年11月13日 当院にて自費診療にて抜髄
露髄させる前に、虫歯の再発が痛みの問題と
関係しているかの確認をして 樋状根を警戒
しながら1時間半掛けて抜髄処置終了
#10・15ファイルを数本廃棄交換しながら
頬側の近心根からの止血後多量出血に炎症が
かなり進んでいたことを本人の温痛と照合
念のため以前とった模型の複模型でマウスピースを作り
噛みしめ予防の指導をした後 最後に
糊剤の状態の確認するレントゲンを撮って驚き
ここまで歯周組織が破壊されているとは(ーー;)
やはり補綴物による咬合不慮で異常筋運動が
んっ ワクチンの問題は?
とりあえずCBDオイルとイベルメクチンを教え
自己責任で使う様に指導
2日後にメールで症状確認すると
さぁ~て これからどうしようかなぁ~(^_^;)
同年の11月30日 痛みが治まった様なので
診療前に今までの経緯を詳細に聞くと
小学校の時にスポーツ外傷で前歯破損
高校生で前歯1本補綴し20歳過ぎて
前歯をBridgeにしてから前歯で噛めなくなり
症状が出る2年ほど前に上下の小臼歯の
セラミック処置をしてから滲みるのと
噛んだときの違和感が始まったようです。
一応、根の詰め物だけはしておき
今後の身体と歯の関係が落ち着くまで
白いプラスチックで我慢してもらう説明をし
最後にレントゲンで根の処置のチェックと
歯周組織の改善を確認した上で
言うのを控えた今回の症状の起点と
考えられる前歯の補綴と噛み合わせの
問題を説明し、矯正の問題も伝えて
体が今の噛み合わせに慣れるまで
養生を心がけてもらい ネット購入した
CBDオイルとイベルメクチンの活用法を
合わせて今後の問題に対処行くことを
お互いに確認し合いました。
補綴は控えた方が良いとは言え
根の処置をしてしまった事は元に
戻せないので・・(ーー;)
<ps>
2014年元日 年始の挨拶が息子の手から
普段は年始挨拶を控えていたのですが
思わずメールを使って気持ちを伝えると
何となく当医院の意向が伝わったようで
年始から胸を撫で下ろす事ができました。