詰めても被せても放って置くのと同じ結果なら・・
5年ぶりの再来院した患者さんに言われたこと
「先生の言ってることは分かる気がしますけど
どうしたら良いのかが良く分からないです!」
この方にどう説明するのが良いのか・・
まず、詰めても虫歯は繰り返すというのは
予防を声高に叫んでる私 本人の歯の状況
咬合やホワイトニング 床矯正の症例で記事にした
2012年までの経過ですが 左の上4番の虫歯より
40年程前大学時代にゴールドインレーを詰めた
右上7番の”頬側”のカリエスにばかり気をとられ
虫歯の予防と再石灰化の実証試験として
衛生士さんから「詰めないんですか?」と
再三言われても現状維持を意気込んでいたところ
2023年の6月に突然舌で同歯の”噛む面”に凹む
違和感を感じ自分ではハッキリしないので
衛生士さんにチェックしてもらうと
「結構大きいです、中が柔らかそうですけど・・」
あれだけ患者さんと衛生士さんに力説していたのに
虫歯の再燃!! 矯正の経緯を考えると
やはり咬合も関係していそう(;゜ロ゜)
そんな流れで、虫歯は詰めても時間の差はあれ
再燃していきその後に冠を被せても・・という説明に
症状を抑えながら極力触らず放っておくという
対処法を選択した方の症例が冒頭の言葉を口にした方
2002年6月に検診希望で来院 レントゲンで
奥歯の上下に虫歯が確認され、一番気になる
前歯の磨り減り状態からの顎運動
それとなく姿勢や日頃の癖を聞き出しながら
通常の詰める処置をするも
2007年8月に上の前歯の歯肉の腫れと
詰めた歯の歯肉が腫れるという状態に
詰めることより優先すべき事を説明するも
詰めても繰り返す虫歯
2012年~2019年にかけて
詰めても詰めても繰り返す虫歯に、御本人の
堪忍袋がはじけたように
「処置しないで放っておく方法で 様子みる
っていうことにしたいんですが!」
の希望と当医院の処置の妥当性を考慮し
レントゲンで分かる様に痛みの処置に止め
経過を追っていく形をとっていたのですが
2023年6月に検診で5年ぶりに来られたとき
新たな虫歯が発見され レントゲンで
痛みが無い割には拡大しすぎた虫歯に対し
「同じように様子をみるでいいでしょうか?」
と問われたことに対し
「冠を被せたり歯を抜いてブリッジにするという
積極的な処置は勧めませんが、この流れから
このまま放置というのはお勧め出来ません!」
そのあとの分かりにくい咬合と姿勢・それを
コントロールする神経機構(自律神経)や性格
生活習慣という踏み込むととんでもない領域の
話しを分かりやすい様に?ずっと喋った時に
ポロッと患者さんの口から出てきた言葉
私はこの方に一体何をしてきたのか(ーー;)
でっ どうする?! 補綴する??
次の方は、また違うケースですが
2016年10月 歯肉からの出血と痛みで
旦那様の紹介で初診来院した方
色んな修復がされているのですが
保険特有の部分部分での対処に留まっていて
やり直すとすると大変な費用と時間が
掛かるという説明に 経過観察を望まれ
軽い処置で済む詰め物と衛生指導で
右下第一小臼歯の歯冠崩壊した
残根が歯肉に埋もれている部位の
抜く処置をして補綴をするという計画は
説明だけに止めていたところ
2020年辺りから同部位から排膿が出始め
免疫を上げる指導をしながら急性炎症への
変化に対応する方法を説明しつつ
2023年の4月にワクチン接種の件と合わせて
そろそろ処置の決断を迫ったのですが
反対側の補綴のイメージが良くなかった様で
そのままにすることにお互い同意し
同年の10月に衛生士さんからの報告が
「お肉を突き破って出てきてます!!」
さぁ これはそのままってワケには・・
患者さんに再度
○このままにして6番が倒れない事を望む
○抜いてブリッジか入れ歯をする
○抜いて矯正は・・(;゜ロ゜)
の説明をし
「このままで自分を信じたいです!」
のお答えを頂きました。
他医院の処置だからというわけでは無く
胸を撫で下ろした自分の考えは
本当に患者さんの為なのだろうか?
放っておくことと処置をする結果の是非
はたして誰がすれば良いのかという
禅問答は歯科医としての質が問われそう
(>_<)