「被せるのはいくらですか?」「やってみないと・・」
2022年10月より保険請求業務の負担
とその業務規定に沿う事への限界を感じ
自費診療だけにしてから患者さんによく聞かれて
簡単に説明出来ないという悩みを日々感じていたので
症例をあげて説明しようと思います。
まず、すんなり事が運んだ場合の例として
2023年5月 以前入れたインレーが破折し
詰めた下に虫歯が再燃しているのと
歯を支える骨の問題まで起きている為
御本人の当医院で全て自費にて
処置を希望する事を確認し
初日 説明と抜髄処置を1時間半かけて
15000円
二日目に、神経の空洞部をパッキングして
そのあとすぐに土台の為の印象までを行い
1時間半かけて 15000円
三日目が 技工所で作った土台代とそのあとに使う
仮歯の技工代が 6900円 と
その土台をsetして冠を作る印象して仮歯調整に
1時間ほどかけて 10000円
後日setする前に仮歯が外れ再仮着に 1000円
最終日がsetで約30分 75000円 で終了
以上が自費で冠を被せたときの料金です。
ただ、この方の場合この処置に至る経緯が
2004年10月に虫歯で始めて受診され
それまで殆ど歯医者に受診したことが無い
状態からの予防の必要性をほぼ強制的に
衛生指導を優先し5年ほどこの状態でいてもらい
その間に補綴処置の予後の問題をしっかり説明し
今回被せた歯の詰め物は全て当医院が
処置をしてきており相互理解が出来ていて
歯を支える歯槽骨での今後の問題を了承し
いずれ歯を抜くことになる確率が高い上に
1時間半の厳しい処置が必要だということも
何の躊躇することなしに理解した上で即決され
理想的に行程が進められた場合です。
では、そう行かない場合はどうなるか
次の方は
2023年1月 痛む歯のレントゲンを撮り
厄介な場所の虫歯に対してお互いに話し合い
被せる処置を回避するた 5000円 で
痛みを抑える薬を塗ってレジンを詰めるも
同年の4月に症状悪化で浸麻下で抜髄処置
御本人の希望で30分で治療を終わらせ
5000円
二日後に時間をとって頂き途中の根の処置を
無麻酔で行うと根尖に達するまでに痛みを訴え
歯髄保護を優先しアンダー根充 10000円
同年5月に確認のレントゲンを撮り遠心に怪しい影が
認められたため経過観察を指示し 5000円
同年の6月に詰め物の脱落で来院し痛みも無い
ので詰め直しだけして 5000円
同年の7月 レントゲンで根の先の病気が明らかになり、
打診した時の違和感も多少出始めてきているので
根の詰め物の除去を行い、その後薬剤の圧入し
レントゲンで根尖の根管形態の問題を確認し
御本人に補綴の処置が上手くいかない可能性を
説明し 10000円 頂く
同年の8月に根充のやり直しをし 10000円
このレントゲンで即日補綴処置は避ける必要を説明
半年ほど待つ様に指示して 5000円
もしこのままセラミックを作れたとして
土台代と印象代にセラミック代がかかります。
このように時間と費用が冠を被せるまで
理想的に進められた場合とかなり異なり
さらに本人の希望がどのように変わるか
当初の本人希望のセラミック冠が出来るかは
骨の再生次第? 御本人の気持ちが保つか・・
それがこの時点ではハッキリしないのは
この方が当医院に来てその後の経緯が関係します。
まず、受診動機が
2011年4月に ご両親が受診している関係で
それまで東京の勤務地近辺での受診を繰り返して
いたようですが、親の勧めもあってか軽いのり?で
ちょっと前歯の虫歯を詰めて欲しいと来院
奥歯の問題が有ることを伝え治療途中の歯は
しっかり治療してもらう様に指示し
希望の処置をして終わったのですが
その後、何の前触れも無く
2012年5月に左上小臼歯の痛みで来院
1年前の指示は全く聞いていなかったようです。
右下7番の喪失も親知らずを抜くためになんの
ためらいもなくやったようで、歯に対する関心が
著しく低いことに驚かされたのですが
結局、本人の主訴とは違う場所まで処置し
他の虫歯や衛生業務の必要性を熱弁するも
御本人は全くその気にならない様でした。
2016年9月に 左下奥歯の痛みが出て
ご両親の強い忠告のもと渋々?来院
まずは訴えの原因となる親知らずの抜歯
をしてその手前の虫歯の処置を始めると
神経が露出寸前という感じだったので
3Mixを応用して痛みを抑える事を提案し
抜歯した部位の傷口が治まるまで
他の歯の処置をし始めるも当医院の提案は
御本人の行動変化を起こす起爆剤にはならず
希望する処置に留まりました。
2019年の4月に 抜髄処置を拒んで神経を残す試みとして
3Mix応用した詰め物をしたセメントが外れていたのを
放置したしていたようで、その歯が痛み出し自ら来院
治療方針を話したときの会話から一寸雰囲気が変わって
お父様の体調を崩されたことが切っ掛けになったのか
こちらの指示に従って定期的に来院される様になり
頑なに拒否していた歯の処置を承諾して頂き
開口不良と呼吸不全を乗り越えてやっと可能な処置をし
金属の冠を付けた当たりから処置に積極的になり
保険で補綴を繰り返してきた歯の冠の脱落を機に
自費でセラミックを希望する様に変わっていました。
ただ、本人が希望する冠が外れた歯の崩壊状態が
単独修復は出来ないほど進んでいて希望に添えない
という説明と共に隣の歯と連結する冒険に挑戦する
という代替案を素直に受け入れるところまで
変わって来たのには驚かされました。
そんな流れの中で
2023年4月に今回のセラミック冠を当初から希望され
根の処置が理想道理の行程をくめなかったことで
以前の治療拒否の癖が再燃するのではないかという
心配と、御本人のセラミックという自費処置に過剰な
期待を裏切る結果になりはしないかと
私が処置へのブレーキを踏みすぎる傾向が
自費診療のみの当医院の診療料金システムと合わさり
「今回のセラミックは諦めて下さい!」と、患者さんの気持
を無視した形で告げてしまう可能性が有るからです。
受付で妻がまた目をつり上げてこちらを睨んでる?!
私 小心者の由縁ですが(^_^;)