処置歯と未処置歯の運命の差って
まず、以前2度にわたって投稿した
「野口整体の不思議」で登場されたケースで
2017年3月 初診のレントゲン写真
左下の虫歯が根面部にあり
どうも神経の処置が必要だという説明に
頑なに処置を拒み
2018年3月に来院した時の確認レントゲンで
多少の改善が伺えたので経過を追うことに
2019年1月に症状悪化で根の処置以外の処置を望まれ
ドックベストを併用した処置をし
また改善傾向を同年の2月に確認し
同年の6月に改善の確認が取れたと安心すると
2020年10月に確認レントゲンで手前の歯に問題が移行し
虫歯も再発してきている事が判明し御本人に伝え
2021年8月 悪化した根尖と根分岐の問題をどうするか
2022年4月に 悪化部分の問題より当初の歯の虫歯が
気になるからと詰め直しを希望され
症状の増悪の可能性を説明し詰めたのですが
思った通り
詰めた1週間後に違和感を感じ来院され
根の処置だけはしたくないということで
ガス抜きをすることに
同年の5月に やはりしっくりこないという本人希望で
詰め物を全て外すことに(;゜ロ゜)
2022年9月に 歯が全て折れてないと来院
手前の歯の骨の炎症は治まり気味ですが
この状態になっても神経の処置を拒む理由を
ゆっくり聞くと 発端は反対の最後臼歯を
神経処置後にfullで銀歯を被せたイメージが
野口整体的に疑問と嫌悪感を持ったようです。
「でも、反対側の処置した歯は今も残ってますよね!」
「それを金属からセラミックにして・・」
「今の歯を後回しでですか?」
処置した歯としなかった歯の差が良く解ると思います。
次の方は被せる為の根の処置が難しい!
と言う話しから処置を躊躇したためにという・・
2012年6月 特殊治療を希望で来院され
歯の上から入れ歯を作って終了し
2018年11月に左下の被せ物が土台ごと外れて来られたので
いつ処置したかを聞いて、20年以上前と言うことで
再度 被せるのを諦めてもらい
力が掛からないように設計して蓋だけして治めたのですが
2021年6月に、右下の違和感を訴えられ来院
レントゲンで根の処置が必要になった大きな虫歯が
歯肉の下まで入り込み、通常の根の処置では
保存することが難しいと説明し
自費にて保存処置をしてくれるところに紹介
2022年9月に、歯が折れたと連絡が入り
レントゲンを撮った後に処置の経過を聞くと
「かなり大がかりな処置になるようで、担当の先生も
いずれ抜くことになるからと言われたので・・」
で放って置いたようで
欠けた破片を持ってきてくれましたが
レントゲンから見ても抜く必要があると説明
反対側の噛まないように蓋だけした処置が
残存歯質の保存に合っていた様に感じたのですが
今回の右下の歯を初めからその設計には
考えが至らなかったことを後悔し
御本人の「大がかりなことはしたくない!」
という望みに沿って抜くことになりました。
1年前に処置をしていれば と言う考えは
歯科医として当たり前なのですが・・・
次の方は、そうとも言えないという経過の
開業当初の従業員の檀那さんで
2001年6月に 虫歯処置で来院され
数カ所 金属持ち込みでゴールドインレーの処置
2008年3月に左下最後臼歯の根の処置をし
持ち込みの金属でゴールドクラウンを装着
その後の経過で
処置のみを繰り返していき
詰めた金属を外れたら入れ直す
の繰り返しをされて
2022年の2月右上奥歯を破折で抜きそのまま放置
2022年9月 左下奥歯が痛いと来院されたときは
歯根破折で抜くことに
冠を被せてからわずか14年ほどで(ーー;)
次の方は 以前投稿した方で
当医院の ”なるべく入れ歯” という方針に
馴染めなかったという
2007年5月 下の奥歯の違和感で来院され
前歯の問題を指摘するもそのままに
2009年10月 指摘した反対の左上前歯を神経処置後に
保険対応の硬質レジン前装冠で修復し
2010年1月に指摘した右上前歯の冠が外れ
提案のやり直しより外れたら付けるを繰り返すことに
2013年3月 左第一大臼歯に痛みを訴え来院
とりあえず詰めたのですが
2016年3月に痛みが再発し根の処置をすることになり
痛みのことも有って一次根充で様子を見てもらうことに
そうこうしていると前歯の問題で
2017年2月に 右上前歯を抜くことに合意され
ブリッジを避け入れ歯で修復し 左上の根の処置の経過を確認し
おそらく本人の希望とは違う高価な金属で修復したのですが
2019年9月に 噛むと痛く腫れたと来院され
急きょ冠を外し 経過からして再度被せるのは危険と
このような入れ歯を作って凌いだつもりが
他医院に転医する切っ掛けになったことは
以前の投稿でお伝えしました。
わずか、3年ほどしか処置した冠が保たなかった
本当に残念なケースです。
次の方は、では処置を全くしない
抜くこともしないで自力で痛みを止め続けた
2012年1月に 右の下の奥歯の痛みで来院
詰めた場所と違う虫歯の問題を説明したことから
処置の無意味さに気付かれたようで
「痛みを我慢出来れば良いのですね?」
「免疫力をkeepしていただければ・・」
ご自身がヨガを教えていることも有り
驚異的な自己コントロールを実践され
まさか抜けるのも自然に任せてしまう結果に
これには本当に敬服した次第です(・_・)(._.)
最後に1番頭が痛い症例で
2015年5月 行きつけの歯医者が閉院し
そこで詰めたものが外れたと来院
歯根破折の可能性を説明し入れ歯を勧めるも
再装着を望まれたのでその条件に
下の入れ歯を入れる約束をして
2018年1月に再セット確認したときは問題がなかったのですが
2020年6月に来院されたときは再セット物が
問題を起こしているため
補綴物の除去と歯根破折片の抜歯をし
炎症層からの多量出血で通常の倍以上時間が掛かり
同部への入れ歯の承諾を受けるまでは良かったのですが
その後来院されず
2022年9月 何か噛むと変な感じがあると
来院され撮ったレントゲンに(;゜ロ゜)
最も恐れていた、上の総入れ歯に移行する時期が・・
話を聞けば、下の入れ歯は入れなくても食事出来るので
未装着でここしばらくはいたと(ーー;)
「それはなぜですか?」
「食べたときに入れ歯が痛くなって邪魔になったのよ!」
ですよね、せっかく衛生管理を時間掛けた割には
高齢になったという言い訳とは違う問題か?!
初診の時が今の私の年齢だとすれば前期高齢
やはり歯医者が考える理想の処置って
患者さんにしてみると如何にハードルが高いか!!
というのが頭を駆け巡ります。
処置は保険であろうと自費であろうと
ある一定期間しか通用しない行為で有り
人生50年が80年に伸びた現実には
時代遅れとなるのではないでしょうか?
そこで、本気に自分で自分の歯を守るか
自分の趣味的行為を容認するかを決断してもらう場
自費診療でカウンセリングベースの診療体制
処置をする時は自費や保険でもその後の心づもりを
しっかり納得した上で行った方が良いと
2022年10月より治療から予防の徹底を
実費治療のみで行う事を決断致しました。
(・_・)(._.)