稀な症例? 予防とドック(ズ)ベスト応用
当医院の以前の投稿記事では
巷で評判のドッグスベストセメントを
応用した歯質・歯髄保護を目的とした
歯質崩壊を食い止める処置法が、思ったほど
効果が認められなかったようだという
内容の報告を数回述べましたが
今回は、”歯に詰め物をするときの祈り”
という投稿記事に妹さんの症例報告で
一瞬紹介させて頂いた長女さんの処置で
ドックスベストセメントが有益だったかも
という・・
2013年5月 11歳の時、検診を希望で来院
お母さんの意向で予防を選択
2014年1月 乳歯の交換時期でちょうど虫歯を
直視確認出来たので、お母さんに見て頂き
どうするかを聞くとその時期に流行っていた
「削らずに治す!」という前評判の良い
ドックスベストセメントを選択され
触れ込みの「全く削らず!」はちょっと無視し
なるべく削る量を少なくすることにして
「そのままでOK!」も不安だったので
仮蓋をして
同年の5月にチェックのレントゲンを撮影
ところが11月に確認すると怪しい状態に
2015年1月 歯牙破折か虫歯か何とも言えないですが
急遽レントゲンで確認し、レジンで修復するも
オーバーに詰められている事に気づく(;゜ロ゜)
調整するか悩んで、オーバー部が脱離してから
調整するのに数ヶ月を要しました。
2018年3月の全体像、カリエスの予防が不安
ではありましたが、お母様との話し合いで
変色はドックスベストセメントの影響で
他の歯は本人の努力に期待することに
2020年3月でのチェック レントゲンが・・
ただ、歯髄の反応が抑えられている様なのは
確認出来たのでそのままで
2022年6月に20歳を過ぎたことも有り
カリエスの進行度のおおよそのチェックで
全体のレントゲンを撮らせて頂き、経過観察
でまだ大丈夫だろうとお母さんと話し合い
本人にも協力と趣旨を再確認
2024年2月より詰め物が怪しく感じ始め
同年の8月に詰めた内側に問題が起きているか
レントゲンで確認し、単なる詰め物の問題が
起きていることを説明し、またレジンにて
修復するかセラミックにて補強するかを
考えて頂き
同年の10月 御本人とお母様の意向を受け
削る前に念のため形態維持の観点で
裂溝の走行を模写してもらう模型印象し
まずは詰めた物を外して内側を器具にて
虫歯か二次象牙質かを予測診断し
既存の歯髄保護材を併用して埋め立て後に
形成・印象を行い仮の蓋をして
同年の11月にsetすることに
希望通りの仕上がりに胸を撫で下ろし
あとは他の初期虫歯が拡大していかないよう
予防指導を徹底出来ればと思っています。
さて ドックス(ズ)ベストセメントの効果・効能は
どうしても犬のチョッキという呼び名が頭に
それ以上に予防という概念かなぁ~(^_^;)
2024年12月23日 検診時本人に確認
上の歯では問題が無い様に見えるけど
下の歯で分かる様に虫歯は”有る”
要は上の詰めた歯は誤魔化してあるだけで
「予防という心構えが必要!!」だと
念のためレントゲンで虫歯の予防が
今のところ上手くいっているという
確認のレントゲンを撮影させて貰い
一般的な早期処置という予防擬きは
お母さんの希望もあってしていない
問題点は気を抜くと一気に虫歯が進み
予防行為が仇となるという脅しは
如何に(^_^;)
#私見として#
茶褐色の虫歯→抵抗能力有る歯質
白色の虫歯→進行能力の高い歯質
軟象検出液より手指の感覚で(^_-)-☆