何が予防で、何が治療?(長期経過)
この方を最初に診たのは、彼が学生だった頃
舌にできものが出来たという訴えで
その時から虫歯が有るのは気になっていましたが
彼のお姉さんが東京開業していた時期に当院で
バイトしてくれていて優秀スタッフとして育ち
その方のお口の中を診て指導もしていたので
「お姉さんに予防法をちゃんと聞いて!」
と口答指示してきっと予防が上手くいくと
勝手に思い込んでいたのですが・・
2001年5月 東京から桶川に開業地を移したのを機に
本格受診することになり、撮ったレントゲンに
一瞬、目を疑いましたが本人の訴えは 舌(;゜ロ゜)
2002年12月に 本人の希望に従ってポリープ除去
その頃くらいから彼の二番目のお姉さんが
当医院にバイトとして入ってくれたこともあり
多少診療所に来なくても家での衛生指導っぽい
忠告はして貰えるかも と言う安易な考えが
2003年6月周りの勧めで来院したときのレントゲン
で左上奥歯に怪しい影を発見 でも無処置
2006年6月に痛みでやっと左上6番を充填処置
2010年2月のレントゲンでビックリする状態に
本人に、もっと真剣に歯のことを考えるよう
説明するも、治療が嫌いなのか忙しいのか・・
周囲のアドバイスが功を奏する時だけ来院する
状態が暫く続きましたが
2018年10月 とうとう自分の我慢に限界が来た様で
この時を逃がすまいと、衛生士さんに手伝って頂き
刷掃指導をしながらという有りがちな対処
まず本人の要求を素早く対処すことを優先し
一番気になっている前歯の虫歯の修復に着手
同年の12月に 修復完了してから本格的な
衛生士さんによる本人の予防意識への変貌
を期待するための時間確保!
とは言っても患者さんの訴える症状は無視
出来ずに、前歯の次に気にしていた左下奧
の歯の処置をするため、私が気になる
右下の歯冠欠落と歯根残存の問題解決策を
ブリッジか入れ歯の選択によって処置の
しかたが変わるという説明だけして
まず、違和感の原因となりそうな左下
第二大臼歯にある複数箇所の虫歯に対し
最初に咬合面から処置をしていき、次に
手前の歯の崩壊を利用して隣接部の虫歯を
可及的に詰めてから最後に
一番虫歯が深そうな唇側の齲窩を処置したとき
一瞬、神経除去のことが頭を過ぎりましたが
対合歯が崩壊し咬合していないことを再考し
とりあえずプラスチックで蓋をしました。
それでその日は終わっても良かったのですが
次に来る日のことを考え、長時間処置を詫びて
詰めた手前の第一大臼歯の治療途中ともいえる
旧処置を根本的にやり直すため、私が一番気が
重くなる修復処置をするための土台作りの
型取りまでやらせていただき、後日土台をset
した後に修復材の相談し、色より破折を避ける
という希望を導きだし間違いないか確認して
2019年1月にジルコニアにて修復しました。
本人は色は拘らない!とは言ってもなぁ~
それが原因だとは言えないと思いますが
右下の問題については暫く放っておきたいと
(ーー;)
理想的には虫歯の拡大を防ぐ予防処置をした
あとにこの処置をするのが良いとは思っても
なかなか本人の行動変化が伴わないまま
同年の2月に入って衛生士さんも関心が虫歯に
いってしまうようで、患者さんとの話し合いで
目立って気になる歯頚部虫歯の処置をすることに
それで気持ちが変わったのか、耳が開いたか
右下の欠損歯部の処置に同意して頂き
同年の3月に保険に準じた設計の入れ歯をset
さぁあ、これから予防に向けて頑張ろう!!
と お互いの意思を確認し合ったのですが
睡眠時間4時間 終電帰宅が常のハード勤務
もあり、入れ歯の使いこなしに難ありと
2020年9月 フットサルで足を受傷してから
入れ歯の使用感に不都合が出だしたようで
ブリッジにする希望が芽生えてたき事を踏まえ
保険を使って他医院で修復する案を提示しました。
その後の月一の検診は欠かさず来院されて
2021年中は全体的に歯肉が腫れたり治まったり
を繰り返している中で
同年の8月に入れ歯の支える右下5番に
処置が必要な虫歯が発生していて
痛みが無いにしてもそのままにせず
早く他医院にてブリッジをして
もらう様に指示
同年の9月になって、虫歯が拡大しているのに
本人が手をこまねいていることに痺れを切らし
充填処置をし、ブリッジのことは触れずに
歯肉の腫れが気になる修復歯のチェックを
2024年の11月まで追っていって、ふと気付いた
ジルコニア冠の対合歯のエナメル質溶解(ーー;)
咬合と顎運動を制御する生活習慣の扱いにくさ?
更に、とうとう入れ歯を支えている大事な歯が・・
予防行為って
処置をしておいて予防を訴えるむなしさと
保険でなく自費で行っている焦りが(^_^;)
2024年6月に衛生士さんから指摘を受けた
歯牙崩壊を極力少なくするためブリッジを
諦めて頂き、入れ歯を作ったのにも関わらず
虫歯を進行させているという問題
当医院で自費にてブリッジにて修復は流石に
申し訳ないと、保険併用できる他の診療所
へ転医する案を提示したのを再確認
2024年11月にそのままになっている虫歯を
詰めるのだけでもやって欲しいということで
今使っている入れ歯が適合する様に詰めて
終わり際に、流石にこのままは良くないと
早めにブリッジをする様に促すと
その月の後半に当医院にてブリッジを自費で行う
心づもりが出来たという返答が有り
今まで処置を控えるという予防主体の方針を
一般的な処置をするという変更をし、この際
自然脱落を待った歯をまず抜歯することに
あとは、ブリッジを選択する前に確認として
ブリッジにするより半分埋伏している歯を利用
して矯正か再植という方法がある事を伝え
手間暇掛けて自分の歯をなるべく活用する
という方法もあることを伝えたかを聞き直し
それに対しアッサリ拒否の意思表示があり
「先生なら簡単に直ぐ抜いちゃいますから!」
という衛生士さんのアドバイスが飛びだし
2024年12月18日 クリスマス前に抜く予約
時期が悪すぎないかという心配もあって
「2時間くらいはみておいてね!」の脅しが
効かなかった様で、何の躊躇することなく
ユニットに座り1時間半ほど掛けて抜歯
「本来は5万円だけどブリッジのことがあるから・・」
クリスマスプレゼントになればと思ったら
抜歯2日後に「食事が取れなくて・・」と
サンタがコブトリ爺さんに変わってる(;.;)
「痛みはカロナールで止まるんですけど・・」
という情報に抗生剤とビタミン剤を渡し
「仕事をセーブして栄養取って丁寧に磨いて!」
で、抜糸に来たのは2週間後(O_O)
完全縫合して血餅保持を狙ったのに
聞けば、汚れと臭いを指摘され必死で磨いた
結果、数日後に血の塊が出てきたと(;゜ロ゜)
また半年の要経過観察?
やはり、私には予防が似合っている気がして
患者さんには申し訳ないですけど
「ホントにブリッジする? それにはもっと口
開けられる様に、ほっぺの脂肪減らすウエイト
コントロールしてくれないかな?」
っていう無理難題を口にすると
「センセ、患者さんが可愛そう!ただでさえ
抜いて大変な思いしてるのに(`ε´)」
衛生士さんの忠告に はっ と我に返る
老害ウマシカ歯医者?!の本音
「ブリッジはなぁ~ ジルコニアはなぁ~」
まだ悪あがきというか自問し続けて
2025年1月 検診に来たときの状態が
本人の努力も有り切削可能な状態に回復
技工所さんにジルコニアBr形成の予測をして頂き
こんな感じになると本人に説明しながら
最終宣告として虫歯の予防に対する姿勢
が鍵になるという説明を
以前修復した冠と詰め物をした歯の
レントゲンを撮り直して、その後の
問題の可能性を術者の技能と合わせ
「詰めても虫歯再発とか、被せ物の不備
で歯周病の悪化がどうしても付きまとう!」
という自己弁護になっていることに閉口
だから本人次第の予防が当医院の要(ーー;)
せめて養生法は的確に!!
それが自費診療なんですよねぇ~(O_O)